その他のご相談

税金の未払いや節税スキーム等、経営に関する事なら何でもご相談下さい。

その他事例集

相談事例-1

年商25億円の会社の社長からの相談で、4年後に引退を考えているため退職金を高額にするため役員報酬を1億円まで上げたのですが、ほぼ半分が税金で何とか節税をしたいと思い顧問税理士に相談したが、退職金が多くなる事が節税であり、役員報酬については仕方がないと言われましたが、本当にどうしようもないのでしょうか?

解決策と解説

この社長さんの相談は、引退を考えている経営者の方なら同じ悩みがあると思います。 税制が優遇されている退職金で高額な支払いを認めてもらうためには3年~5年前から役員報酬を上げておいた方が安全だと言われています。 そのようにすれば、役員報酬に高い税率が掛かってしまいます。 相談者のように1億円となれば、約5000万円の税金を4年も払う事になります。 それならば税金を繰延べて引退時に処理できるのがベストですね。

たまたま、相談者個人が所有する収益不動産が建替の時期を迎えており、5年後までに入居者に退去してもらい売却する予定で約4億円の損失がでる予定になっておりました。

それで弊社は、アメリカの収益不動産の購入を勧めました。
アメリカでも場所や物件については厳選する必要はありますが、簡単に言えば築22年以上の木造物件で、建物の価値が大きな物件でスキームを組みます。

今回の物件は、築35年の木造で6億円の内、建物の価値が4億円と言うものです。 日本では、これだけ築が古いにも関わらず、建物の価値が高い物件はまずありません。 アメリカは、地域によって気候や地震などが日本に比べて発生しづらい事もあり、木造住宅も長持ちすると言う事もありますが、最も大きな違いは国民性と言えるかも知れません。

まず、日本のような国土の狭い国は土地に価値があると考えがちですが、アメリカ人は実際に済む建物が良いかどうかに価値観をもっています。 日本でもデザイナーズマンションの入居率が高いように、古くても内外装をリホームしてセンスが良ければ高く売れる事があります。 つまり、日本より建物の価値が築年数によって下がらないと言えます。 6億円で購入した物件を5年間賃貸に出して、5年後に6億円以上で売却できる事もあるぐらいです。 このような物件を購入すれば、木造で築22年以上経っていますので、建物は4年で償却する事ができます。 そうすれば、毎年1億円の減価償却を計上できますので、役員報酬の1億円と相殺すれば、税金がゼロとなり、約5000万円を確定申告で取り戻せる事になります。 しかしながら、これは4年間で4億円の減価償却を先取りしただけですので、5年後に6億円で売却すれば、4億円が売却益となり税金が掛かってしまいます。 しかしながら、このケースではタイミング良く7億円で購入したマンションが建替の時期が来ており、売却すると4億円の損失がでる事になっており、この損失と相殺することで税金が掛からず済みます。 つまり役員報酬の5000万円×4年=2億円が節税できた事になります。

この事例は、あまりにもうまくハマった例ですが、複数の不動産を所有している方で、含み損を抱えている物件があれば、似たような効果を出す事ができます。 これらの節税スキームは、海外不動産の税制にも詳しい税理士事務所の協力を得て組立ますので、実際のスキームはもっと複雑であり、個別の事情によって設計内容は変わります。

しかもこのスキームは既に使えなくなったと言った方が良いでしょう。
国税庁は、この節税スキームを個人で行う事に懸念を示しておりますので、今後は使えませんが過去にはこのような方法で節税を行った事もあります。

相談事例-2

二つの事業を営んでいる年商8億円の会社の社長さんからの相談で、4億円あるキャッシュフローの内、2億円を出来るだけ税金を安くして社長個人へ振替えた上で、銀行借入も出来るようにして資金繰りに困らないようにして欲しいと言う相談です。

解決策と解説

まず何故2億円もの大金を社長個人に移さなければならないかと言いますと、大変言いづらいのですが、奥様に言えない関係にある女性が大病を患い海外で手術を受けなければならないとの事でした。 それで顧問税理士に相談された訳ですが、余り時間を掛けられないとすれば配当として出すか、貸付金として処理するしかないと言われたそうです。 配当にすれば約50%の税金が掛かりますので、手取りを2億円にするためには4億円を配当しなければならず、キャッシフローがゼロになってしまいますし、銀行融資も受けられません。 社長個人が4億円も配当を受けて会社にお金がなくなったので、融資してくださいと言われても金融機関は社長個人に何時資金が流れるのか解らないし、大体資金繰りができないほど配当する会社は非常識で信用できないと言う事になります。 また、2億円を貸し付けても簡単に返済ができませんし、これも億単位の貸付金が決算書に載れば融資は大変難しくなります。

それで弊社は、社長と事業を成長させていく上での問題点について話合いました。

二つの事業は年商6億円と2億円なのですが、事業部制にもなっておらず、予算制度もないと言う事で、どんぶり勘定になっており、各事業の正確な利益も解らないと言う問題点が発覚しました。
しかも、近々3つ目の事業を立ち上げる予定で、益々管理が複雑になってしまうと言う事でした。

その解決策として事業部制や予算制度や稟議制度を導入すると言う方法もありますが、制度が機能するまでに全社員の協力と習熟を必要としますので、成果がでるまでに時間が掛かりすぎ中小企業には向いておりません。 それで、弊社は即効性のある持株会社制を提案しました。 持株会社を設立すると同時に2つの事業を分けるため会社分割をしました。 これで、持株会社の下に事業別に分けた2つ会社が存在する形になりました。 勿論、3つ目の事業を立ち上げる時にも持株会社の下に新会社を設立する予定です。 会社を分ける事で、人員も預金も売上も全て別会社として分かれましたので、個々の事業の採算性も見えて来ました。 何と言っても決算書が別々になりますので、経営陣もそれぞれの経営状態が解りやすくなります。

この話を銀行にして、持株会社に株式購入代金4億円の内、2.8億円の融資をお願いしました。 この時点であれば、キャッシュフロー4億円を見合いとして融資する事が可能な金融機関はあります。 何故2.8億円かと言いますと4億円で株式を売却した場合、ほぼ税金は20%で済みますので、8000万円の税金支払い分と社長個人が必要な2億円と言う事です。
実際には4億円で売却した訳ですから8000万円の税金を支払った残りの3億2000万円が手取りとなる訳ですが、会社のキャッシュフローを減らしたくないので、残りの1億2000万円は持株会社への貸付金としました。
今後、事業会社の利益を持株会社に配当すれば配当に税金は掛かりませんので、その配当を社長への返済として分割で1億2000万円を返済して行けば、社長個人にも税金は掛かりません。 持株会社の2.8億円の返済についても、それぞれの事業会社からの配当金で返済して行きます。

このようにすれば、事業会社のキャッシュフロー4億円を残したまま、必要な2億8000万円を調達することができ、税率も20%と低く抑える事ができます。
それに一旦事業会社の株式を売却してしまいましたが、将来上場したりM&Aで売却する時は持株会社の株式を売却する事ができますので、支配権をキープしたまま返済不要の個人マネーを生み出した事になります。

この解決策を読むと簡単そうに見えますが、実際には後々税務調査が入っても問題にならないようにするためには、事業再編に強い税理士事務所の協力を得ながらスキームを組んで行きますので、決して単純なものではありません。

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