147.創業融資の個人保証は本当になくなるのか?
2022年6月11日
岸田内閣で、新しい資本主義の政府原案が出てきました。
その中で、創業融資の個人保証を止めるとの方針が打ち出されています。
2022年度内にも信用保証協会法を所管する経済産業省の内規を改め、協会が個人保証を取るのをやめると同時に銀行にも個人保証を取らないよう求めると言うものです。
日本政策金融公庫は、以前から創業融資には個人保証の必要のない制度がありました。
その制度が無かった商工中金も創業融資に関しては個人保証を取らないと発表しました。
問題は、民間の銀行や信用金庫や信用組合が本当にリスクの高い創業融資に個人保証を取らずに融資ができるのかですね。
勿論、信用保証協会の保証が付いた創業融資は100%保証ですから、問題がありません。
しかしながら、金融機関独自の創業融資については、個人保証なしで融資を行うのは、ハードルが高いと言えると思います。
創業融資はリスクの高い融資ですから、銀行に保証を出す信用保証協会は日本政策金融公庫から補填を受け、日本政策金融公庫は国から補填を受ける訳ですから、補填を受けられない銀行独自の創業融資は難しいと思います。
ただ、信用保証協会と日本政策金融公庫が個人保証を放棄すれば、現状の創業融資は実質的に個人保証のいらないリスクの少ない創業が出来ると言えるかも知れません。
ただ、個人保証が無くなったのであれば、それなりの賢い利用の仕方を考えて創業して欲しいと思います。
それは、自己資金を出来るだけ多く貯めて創業する事です。
何故ならば、自己資金が多いほど、この有利な創業融資が多く借りられるからです。
自己資金が少ないと2000万円借りれるものが、半分の1000万円しか出ないと言う事は良くあります。
それで、結局は途中で資金が足りなくなり、再度融資を受けなければならなくなった時に業績が予定通りに推移していない場合には、個人保証のない創業融資は受けられず個人保証のある一般融資しか使えない場合もあるからです。