133.大手でも経営者の考え方で大きな差に?
2021年6月22日
皆さんも新聞やテレビのニュースなどでご存知だと思います。
パナソニックとソニーの業績格差です。
2020年3月期決算で、次のような結果になりました。
・パナソニック
売 上: 約6.7兆円(前年同期比 -11%)
純利益:約1650億円(前年同期比 -27%)
・ソニー
売 上: 約9兆円(前年同期比 +9%)
純利益:約1.2兆円(前年同期比 +101%)
このコロナ禍でもソニーは史上最高益を上げました。
一方、パナソニックは売上も利益も減収減益です。
私は27年前から、ディスプレイは液晶からELに変わると言ってきました。
しかしながら、パナソニックは的外れなプラズマディスプレイの開発に没頭し、結果は皆さまの知っている通りです。
このように、経営者が判断を間違えると大手でも競争に敗れてしまいます。
確かに、将来の事を予測するのは難しいのですが、やはり原則に基づいて考える事が重要だと思います。
私が何故26年前からELディスプレイが有望と予測していたかと言いますと、まずディスプレイの究極の理想形を考えていたからです。
究極のディスプレイの見え方は、人間の目で風景を見るのと同じように見えなければならないと考えていたからです。
それに少しでも近い技術と言う考え方で考えれば、バックライトで後ろから照らす液晶より、面発光で自ら光を放つELの方が理想に近いと思ったからです。
しかしながら、26年前にそのような話をしても面発光をコントロールする技術が無いとかコストが合わないとか否定的な意見しか出てきません。
それでも事業は競争ですから、理想形に現実をどこまで近づけると言う考え方を持っている経営者とひらめきだけに頼っている経営者では、長年の内に大きな差が付いてしまうのではないかと思います。
経営者には、いくつもの試練が訪れるものです。
そのような時に、軸になる考え方を持っていると間違った方向に寄り道をしなくて済むでしょう。