132.利益目標を掲げれば戦略も変わる?
2021年6月6日
コロナ禍であっても、そうでなくても中小企業の経営戦略は売上重視の経営者が多いと言えます。
昔、ダイエーの中内社長が書いた本に「売上が全てを癒す」と言うベストセラーがあり、多くの経営者の参考書となりました。
その結果、ダイエーがどうなったかはご存知の通りです。
売上を追求すれば、利益は付いてくると言う単純な考え方と、従業員などと目標を共有する事がやりやすい数字だから多用されたのではないでしょうか?
しかしながら、好景気の時は、それでも良いかも知れませんが、今回のコロナ被害で売上が下がった場合には、売上目標だけで経営はできません。
それに比べて、利益目標は売上が上下に関係なく定める事ができます。
勿論、売上が下がれば利益は出しにくくなります。
それでも、定めた利益を稼ぐ事が目標であれば、売上が下がって利益が減って来れば、それに合わせて経費も削減しようと考えます。
何故ならば、目標は売上ではなく利益だからです。
しかしながら、目標が売上の場合には売上が下がってくると何とか売上を上げなければ目標が達成できないと考え、経済環境が悪く上がらない売上だけを追いかけて経費削減に気が付くのが遅くなり手遅れ状態になってしまいます。
利益を経営目標にすれば、好不況に関係なく経営は上手く行きます。
売上に左右されず利益を上げようと考えれば、経費コントロールが必要だと言う事に気が付くでしょう。
そうなれば、固定費は出来るだけ小さくしておこう等と、売上至上主義の時とは経営手法も自然と違って来ると思います。
従業員も売上が上がれば安売りで利益が減っても良いとは考えなくなるでしょう。
利益が上げれば、金融機関からも評価され、運転資金に困ることもなくなるでしょう。
御社は、売上が3割下がっても利益を出せるように経費をコントロールできるような体制が取れているでしょうか?
或いは、利益目標を上げた時に、それを達成するための売上を上げる資金を調達できる準備が出来ていますでしょうか?
利益目標を重視する経営は、そのような考え方で準備をするように経営手法が自然に変わって行くと思います。