118.今こそ財務改善を考える時?
2021年1月16日
コロナ禍で多くの会社が影響を受けました。
赤字になったり債務超過に陥たっり、借入過多になったりと、BS(貸借対照表)が痛んで来ていると思います。
多くの経営者は、このBSに関心を示しません。
単純に売上と営業利益にしか集中していません。
借入を増やしたら、それだけでBSが痛んでしまいます。
融資の審査の多くはBSが影響します。
このような時に大企業が何をするか見ていれば参考になると思います。
例えば、パーク24は466億円の赤字を出しました。
それに対して取った対策は、500億円の劣後ローンを銀行から調達する事でした。
466億円も赤字を出した会社が500億円借りるだけでも大変なのですが、それより更にハードルの高い劣後ローンを調達したのは、劣後ローンは資本と見なされるからです。
つまり増資に近い効果を持つ劣後ローンを調達する事で、資金繰りとBSの修復を同時に行ったのです。
466億円もの赤字を出しながら、このような事が出来たのは上場会社で財務部を備え、普段から財務の健全化と強化を図っていたからです。
残念ながら、財務改善は多くの税理士事務所で行っておりません。
行っていないと言うのは、BS強化について何をすべきかとか、決算のBS強化についてアドバイスを積極的にする事がないと言うことです。
アドバイスの多くがPL(貸借対照表)で行う節税の話です。
この節税とBS強化は、相反の関係にある事が多いため、両方を薦めると矛盾が生じてしまいますし、BS強化は融資について精通していませんと出来ないからなのです。
このコロナ禍で弱ったBSを少しでも回復させておけば、新たな制度や第二弾の制度が使えるようになるでしょう。
いくらコロナ禍とは言え、明らかに返済できないと解っている会社に助かるまで支援はできないのです。
ですから、第一弾のコロナ関連融資は、かなり審査が緩く多くの企業が融資を受ける事ができました。
この融資で生き残れた会社がかなりあったと思います。
しかしながら、それでも足りないからまだ貸して欲しいと言う会社は危ない訳です。
ですから、次の制度は危ない中でも助かりそうな会社に限って支援しようとする事になると思います。
その何とか助かりそうな会社の判断がBSでなされると思います。
つまり、少しでも改善しておけば、その可能性は広がるでしょう。
何故ならば、多くの会社が財務改善など考えてもいませんし、実行もしないからです。
それを行った会社は、少数だけにそれだけ有利になるでしょう。