109.地方の高額不動産購入資金の調達は簡単ではない?
2020年10月30日
時々、関東地区以外の地方で宅地開発やマンション建設用地買収資金等の10億円以上の相談があります。
スルガ銀行の「カボチャの馬車」問題以降、金融機関は全般的に不動産融資を絞ってスローになったと言えます。
その上、元々関東地区以外の不動産は、担保価値が低く融資の対象としない金融機関が結構あります。
それだけでも、地方の不動産購入資金に対して融資を受ける事は不利だと言えます。
しかしながら、地方は地方なりに地元の金融機関なら取扱ってくれると思われるかも知れません。
しかしながら、10億円を超えるような金額を信金や信組が貸すのは難しいと言えます。
地銀でも余程のお得意様でなければ難しいでしょう。
勿論、メガバンクなら10億円以上でも貸せますが、地方物件の担保価値は掛目が低いですから、少なくとも40%の自己資金がないと難しいでしょう。
このように地方の高額物件については、評価が出ない事や1社に対する融資額制限に抵触したりで、簡単に資金調達はできません。
地方の物件でも比較的公平に評価してくれる日本政策金融公庫も7200万円が上限ですし、中小企業事業の方でも7.2億円までで10億円以上には対応できません。
そもそも中小企業事業の方は不動産賃貸業に対応していませんので、実質的には国民生活事業の7200万円が最高になります。
それに仮に対応できる金融機関があったとしても、10億円以上の資金を借りるのはそれなりの事業計画書や投資計画書などが必要になります。
10億円以上になりますと、どの金融機関も本部決済になりますので、支店内の決済より厳しく審査されると言えます。
本部の審査部の専門家が見て、十分耐えられる内容にする必要があります。
その為には、専門家に作成してもらうのが良いのですが、十数億円借りるのに数十万円の費用を惜しむので更に借りられなくなります。
不動産の場合、数億円であっても不動産の資料を金融機関に持ち込んで、担保評価がでれば、比較的すんなりと借りれた経験を持っていると特にそのような行動になりがちです。
地方の高額不動産購入資金の調達は、針の穴を通すような細い1本道を進むようなイメージで失敗は許されませんので、専門家に相談する事をお勧めします。