104.M&Aは魔法の成長薬?
2020年9月26日
M&Aと言う言葉に良く分からないとアレルギー反応を示す中小企業の経営者は多いと思います。
しかしながら、跡継ぎのいない中小企業は170万社もあり、いずれ閉じるか売るかしかありません。
近い将来、身近にならざるを得ない時代が来ると思います。
ある日、仲良くしていた同業で同規模の会社の社長が、急に羽振りが良くなってベンツに乗って登場なんてことも・・・。
どうしたのか聞くと、会社を買ったんで・・・。
こんな会話が日常に聞ける日が来ると思います。
ただ、買収して利益を出すためには、M&Aの事を勉強した上で有能なFA(ファイナンシャルアドバイザー)を雇う必要があります。
M&Aを理解する上で分かりやすい例を出すと、不動産投資を思い浮かべて頂ければ良いと思います。
不動産投資は儲かると言いますが、誰でもどの物件を買っても儲かる訳ではない事は御承知の通りです。
物件は立地や築年数やメンテナンス状態などを加味した上で、買手の利回りを満足する指値で購入するのが、良い投資になるポイントと言えるでしょう。
それと同様にM&Aもデューデリジェンスを行う事で専門家に企業価値を冷静に判断してもらい、リスクのある部分は値下げ交渉が一対一で出来ますので、利益が出る価格で買うと言う、正に投資の基本通り忠実に行えば、利益を確保する事ができます。
一つの歴史ある会社を買収する事は、その会社の顧客先から仕入れ先等の協力会社からその職種に精通した従業員から、今まで利益を出して来た体制そのものを買う事になります。
自社で大きく売上を伸ばすのに、新たな営業マンを雇い、新規の顧客を開拓させて、果たして確実に目標の売上を達成して、利益を出せると言い切れるのでしょうか?
これから行う事は、全て予定であり実績ではありません。
自社で行う時は、この不確実な予定に投資しているのです。
それに比べれば、M&Aは実績に投資すると言っても良いでしょう。
もう既に売上と利益が、そこにあるのですから、それらが間違いないのか評価して、買える値段を提示するだけです。
ですから、不動産投資と同じで450万円で売り出されていた中古の一戸建てが50万円で買えたと言う事もあるように、M&Aも幾らで買えるのかはデューデリジェンス後でなければ、本当の価格は出てきません。
最初は2.4億円と言う売値でも、交渉により最終的に1.4億円と言う事は良くあります。
ですから、多くの不動産売買と同様で最初の価格より安く買えるケースが多いと言うのがM&Aなのです。
中小企業のM&Aが本格的になって来ましたが、正直申しまして早い者勝ちだと思います。
利益が出ている企業から売れて行くからです。
赤字や債務超過の会社は中々売れませんから、いつまでも残っています。
ですから、「魔法の成長薬」になるかどうかは、あなた次第です。