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100.LBOで収益不動産が買える?

2020年8月29日

LBOとは、レバレッジド・バイアウトの略で買収相手の資産や今後生み出されるキャシュフローを担保に買収資金を調達し、少ない自己資金で買収する手法の事です。
しかしながら、実際に担保価値を評価してもらうためには、かなり精密なデューデリジェンスが必要で、数千万円の費用が掛かります。
そこまで行っても金融機関から融資を受けられるのは、評価額の50%程度と言うのが一般的だと言えます。
つまり、10億円の会社を買おうとすると5億円の自己資金が必要になると言う事です。
それでも、不動産賃貸業を営む会社を買収する時には別な物差しで融資を受ける事ができます。
買収先の会社が所有する不動産の価値が高ければ、それらを担保として100%融資を受けられるケースもあります。
勿論、所有不動産の価値が低ければ70%~80%しか融資が付かない場合もあります。
それでも、資産の少ない一般の会社を買収するより有利だと言えます。
現状は、収益不動産を直接買うケースに於いて、フルローンが出る事は稀で、大概は自己資金を用意しなければなりません。
しかしながら、収益不動産を所有している会社を買収する場合には安く買えるケースが多いので100%融資がでるケースも少なくありません。
何故、安く買えるかと言いますと、大きくは2つの理由があります。
一つは、売手側の事情で売却後に引退を考えている会社は、株式を売る方が税制上有利で手取り額が多くなりますので、少々安くても不動産を直接売るより有利だからです。
会社所有の5億円で買った不動産を10億円で売るとすれば、利益の5億円に法人税が約35%掛かり、会社の手取りは8.25億円になります。
その上で会社を清算して経営者に配当すれば、約50%の所得税が掛り、手取りが4.125億円まで落ちてしまう可能性があります。
それならば、会社の株式を8億円にディスカウントして売っても20%の税金だけで済みますので、手取りは6.4億円もあります。
ですから、引退される方は安くてもM&Aで売却した方が良く、買収側も安く買えるチャンスがあるのです。
もう一つは、不動産自体を売りに出せば、その情報は不動産業界に広く知れ渡り、高い買値を入れた人が買えると言うのが基本になります。
しかしながら、M&Aでは合意書を交わして独占交渉権を得た上で交渉できますので、交渉中に第三者から指値が入る事がありませんので、ディスカウント交渉には向いていると言えます。
つまり、M&Aでは買う方は安く、売る方は手取りが高くと言うWinWinの取引が可能なのです。
安く買えれば、当然の事ながら100%融資が付く可能性も高くなるのです。


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