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96.コロナの赤字を資本準備金で消す?

2020年7月24日

創業時から資本政策を意識して来た経営者なら資本準備金の意味が解ると思います。
例えば、起業時に資本金1200万円準備できるとしても資本金を1000万円未満にしておけば2年間消費税免除(2年目の免除は条件有)を受ける事が出来ますので、資本金を600万円にして資本準備金に600万円を計上する手法を取ると思います。
その後も増資する度に半額を資本準備金に計上しておけば均等割なども安く済ませる事ができます。
さて本題ですが、資本金が1500万円、資本準備金1500万円、利益剰余金1000万円で純資産合計が4000万円の会社があるとします。
コロナ被害に遭い2500万円の赤字をだしたとします。
このようなケースで通常に決算をすれば、利益剰余金の1000万円から赤字の2500万円を引いて、利益剰余金が-1500万円とA.の表記のように利益剰余金がマイナス表記になります。
利益剰余金がマイナスになれば赤字を出した事がハッキリ解ります。
それと比較すれば、決算前に資本準備金をその他資本剰余金に移して利益剰余金と共に赤字と相殺すれば、B.のように赤字分は利益剰余金と資本剰余金で消えた事になります。
A.とB.は、同じように見えますが、資本準備金は資本に繰り入れる事もできる訳で、多くの場合経営者個人が出資しており、ある意味身銭を切って赤字を埋めた事になります。
A.の場合は、資本は犠牲にせずに赤字は会社負担とした決算と言った方が解りやすいかも知れません。

A.                      B.
資 本 金  1500万円          資 本 金  1500万円
資本準備金  1500万円          利益剰余金     0万円
利益剰余金 -1500万円

増資時に資本準備金を設けずに全て資本計上してきた会社は、減資と言う方法もありますが、中小企業がそこまで行うのは大袈裟と言いますか金融機関に対する印象が良くないと言えると思います。
資本準備金なら、元々資本にも剰余金にも変更できる気軽なポジションにあると言えます。
それでも資本準備金をその他資本剰余金に移管するには、債権者保護手続きが必要になります。
つまり、借入のある銀行にも知らせなければならないと言う事です。
しかしながら、コロナ被害による赤字を予測して、資本準備金を剰余金へ移動させておく事は、十分理解を得られると思います。
そのような資本政策が、コロナ後の融資にも有利に働いて来ると思います。

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