80.資本が重要な訳とは?
2020年3月6日
会社を経営するに当たって、資本は基本であり重要なものです。
例えば、創業時に資本金の額が大きければ大きい程、多くの創業融資を受けられる可能性があります。
今は資本金1円でも会社設立出来ますが、これで創業融資2000万円を受けようと思っても、まず受けられません。
資本金が1円と言う事は、100円のボールペン1本買っただけで、債務超過になりますし、そもそも購入代金の100円も借入に頼らなければなりません。
このことは、事業がある程度の規模になっても同じ事が言えます。
ただ、1年以上過ぎて決算を行うと資本金も重要ですが純資産合計がより重要になります。
この純資産合計とは、「資本金+創業以来の利益合計」と言えます。
ですから、赤字の方が多くなると純資産合計は資本金より少なくなってしまいます。
そして、赤字が積み重なり資本金以上になれば、この純資産合計がマイナスになってしまいます。
この状態を債務超過と言い、基本的に融資が受けられなくなります。
ですから、経営者は赤字で資本金を食いつぶさないようコントロールしなければなりません。
長年経営を行っていますと、どんなに頑張っても防げない事があります。
今回のコロナウイルスによる被害もそうですが、過去にもオイルショックやリーマンショックなど、個人の力では防ぎようのない不況に合う事もあります。
その時に頼りになるのが資本金なのです。
300万円の資本金と3000万円の資本金では、不況に耐える力が違います。
300万円の資本金では、200万円の赤字が2年も続けば債務超過で融資を受けけられなくなります。
しかしながら、資本金が3000万円もあれば、200万円程度の赤字が数年続いてもビクともしません。
当然、債務超過ではありませんので融資を受けられる可能性が十分あります。
融資が受けられれば、事業再生が現実的なものになります。
売上アップに広告宣伝費や営業マンの増強の費用が出せるからです。
また、経費削減に関してもリストラ費用の退職金や事務所家賃削減の引っ越しなどもお金がなければできません。
つまり、会社を長く継続させるためには、役員報酬や配当の一部を貯めて置いてでも増資を行い資本強化する事が有効なのです。