73.増資資金、考えていますか?
2020年1月19日
中小企業の経営者の方に「増資資金、考えていますか?」と言う質問しますと、多くの経営者の方は考えていません。
そもそも、会社を立ち上げた時の資本金を何故増資しなければならないのか、解っていないからです。
簡単に言えば、自己資本比率を上げて倒産確率を低くするためですが、資金調達面に於いてもかなり有利になります。
今や資本金1円でも株式会社を設立する事ができます。
しかしながら、資本金が1円しかなければ2円の赤字になれば、もう債務超過です。
債務超過になれば、基本的には銀行融資は受けられません。
そうなれば、経営は大変苦しく倒産しても可笑しくはありません。
では、資本金が1000万円ならどうでしょう。
2円の赤字どころか500万円の赤字を出しても債務超過にはなりません。
人材派遣業などは、資本金2000万円以上と言う縛りがあります。
多くの人を登録して派遣する訳で、それだけ多くの人の生活を預かる会社が、資本金1円で僅かな赤字で直ぐに倒産するようでは困るからです。
資本の増強は、倒産確率を下げる事に繋がる訳ですが、金融機関も倒産確率の低い安全な会社に貸したい訳ですから、融資にも有利になります。
安全であれば安全であるほど金融機関は、沢山のお金を貸して金利を稼ぎたいと思う訳ですから、同じ業績であっても3000万円しか貸せない会社と5000万円貸せる会社の差の一つは自己資本比率の高さも関係してくるわけです。
経営者であるならば、この辺りも意識して増資資金の準備を普段から心がけておくべきだと思います。
更に言えば、社債を発行するにあたって信用保証協会の保証を得るためには、純資産5000万円以上と言う審査基準があります。
それをクリアーするためにも資本金を2000万円~3000万円程度までには増資しておく必要があると言えます。
社債を発行できるかどうかで、資金調達の優位性は大きく変わってきます。
そのためににも、増資資金を貯めておく事をお勧めします。