65.金融機関とワンランク上の付合い方とは?
2019年11月21日
金融機関とのお付合いで一番多いのは、融資が必要な時だけお願いすると言う付合い方です。
しかしながら、最近ではコンサルタントの発信力がSNS等のツールが強化されためか上がって来ており、金融機関には最低でも四半期に一度ぐらいは試算表を提出する方が良いと言う事がじわりと普及し始めております。
中には毎月提出する方もいますが、やはり少数派です。
ただ、金融機関に情報開示すると言っても赤字の試算表を送るのは、やはり勇気が要ります。それで、途中で挫折する経営者も結構います。
金融機関側は毎月試算表を出されても見ていませんが、試算表があれば折返し融資が出来る時期や資金需要があるのかどうかなどの判断がつき、融資営業のローテションに入れる事ができます。
赤字になったからと言って急に試算表が送られて来なくなれば、そのローテーションから外されるかも知れません。
それで、毎月試算表を出すのであれば、A4に1枚で良いので業況レポートを付けるようにアドバイスしました。
それで、赤字になれば、その原因の説明と対策を簡潔に書くだけで、逆に黒字になれば、その原因と今後の見通しを簡潔に書いたレポートを試算表と共に送り続けました。
そこに売上減少と赤字の原因として、米中貿易戦争の影響を受けたと書いたら、銀行の担当者から3000万円借りませんかと営業に来ました。
信用保証協会の枠も一杯なのにです。
つまり、米中貿易戦争や最低賃金の上昇など環境の変化に対応するための融資制度が別枠で出来たので、案内してくれた訳です。
この制度は、半年間しかないので直ぐに終わってしまうかも知れません。
このような、制度を素人が察知するのは中々難しいと言えます。
これは、出しにくい赤字の試算表に言い訳と対処のレポートを付ける事で、出しやすくなり、受取った銀行員も赤字理由が解りますので、安心する訳です。
それならば、丁度良い制度が出来たので案内して見ようとなる訳です。
このレポート1枚付けることで、経営側も原因と対策に意識が行きますし、銀行の担当者側も、業績の流れが分かりますので同じぐらいの業績の他企業と比較すれば稟議書が書きやすいと言えます。
ここまでする中小企業の経営者は中々いませんので、金融機関とワンランク上のお付合いができるのではないかと思います。