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63.キャッシュフローがリスケを制す?

2019年11月9日

中小企業に業績の浮き沈みは付き物です。
業績が安定している時に、借入を増やしてでも月商の3ヶ月分のキャッシュフローを確保する事を推奨しています。
必ず、いつか業績が落ち込む時が来るからです。
例えば年商1.2億円の会社であれば、3000万円のキャッシュフローです。
月末に支払いを済ませた後に、通帳に3000万円以上残っている状態です。
ここまで借入を増やせない会社は、既に財務が棄損しています。
この時点で専門家のアドバイスを受ける決断ができれば、必ず助かります。
さて、話を戻しますと、年商の3ヶ月分のキャッシュフローがある時点で、業績が落ち込んで来て300万円の赤字を計上したとします。
しかも当面は、業績は回復しそうにありません。
この赤字を埋めた300万円を既存のキャッシュフローに補填するために融資を申し込んでみます。
これで、融資が下りれば問題ありません。
しかしながら、300万円の融資が下りないとすれば結構重症です。
メインバンクとサブメイン位に聞いて双方に断られ、当面業績が回復する見込みがないとすれば、この時点でリスケジュールを決断しても良いと思います。
この時点で6000万円の借り入れがあり、2700万円のキャッシュフローが残っているとします。
この6000万円を5年で返済すると年間1200万円の返済になります。
今後、融資が受けられない中で、当面発生する300万円の赤字と1200万円の返済を実行すれば、2年で資金繰りが破綻する危険があります。
しかしながら、ここでリスケを決断して元金の返済をストップすれば、赤字分の300万円しか減りませんので、理論的には9年間も資金が回る事になります。
実際には、そこまで長く元金を猶予してくれる事はありませんので、3年~5年の内に黒字化してリスケから抜出さなければなりません。
処が、リスケした企業から新規融資が無いと資金繰りが回らないと言う相談を良く受けます。
これらの企業は、普段からキャッシュフローの重要性を認識して手を打っていないか、リスケジュールを勘違いして返済できなくなるギリギリに行うものだと思っているのです。
金融機関からすれば、キャッシュフローに余裕があるのであればギリギリまで返済して欲しいと思うのは当然です。
ですから、キャッシュフローに余裕がある時にリスケジュールをお願いすると抵抗される事は良くあります。
しかしながら、リスケすれば融資を出さない訳ですから、困るのは企業側なのです。自衛しなければ誰も助けてくれません。
月商の3ヶ月分以上のキャッシュフローを持つ事は、業績が悪化してリスケジュールを行う時にもパワーを発揮して、業績回復を支援してくれるのです。
現時点で、月商の3ヶ月分のキャッシュフローに足りない分を金融機関に相談して見て下さい。
キャッシュフローが底をついてから融資を申し込むより、資金繰りが回っている時に申し込む方が融資は通りやすいからです。
それでも融資が下りない時は、既に財務内容に問題があると言う事になります。
つまり会社の財務が正常ではない病気の状態と言うことです。
それを承知で放置するか専門家(医者)に見てもらうかで会社の運命は大きく変わります。
どちらを選択するかも経営能力の一つと言えるでしょう。


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