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58.キャッシュフロー3ヶ月分の威力とは?

2019年10月4日

財務の観点から余力のある経営を行うためには、キャッシュフローを月商の3ヶ月分以上キープする事が重要です。
キャッシュフローが月商の3ヶ月分と言うのは、月末の支払いを全て行った上で、現預金が月商の3ヶ月分以上残っている状態を言います。
年商1.2億円なら3000万円、年商2.4億円なら6000万円、年商3.6億円なら9000万円です。
これぐらいあれば、月末の支払いが間に合うかどうかなんて心配する必要がないと思います。
月末も平日と同じ平常心で仕事に取り組む事が出来るでしょう。
今まで相談に来られた方の多くは資金繰りに困って来られる訳で、キャッシュフローが底をついたような状態です。
普段でも月商の半月分もあるかないかで、月末になると資金繰りに走り回るのが常態化している訳です。
そのような状態が異常である事に気が付かず、資金繰りを改善する手段を取ろうとしません。
ただ、足りないお金を何とか借りる方法が無いかとネットで調べてノンバンクから借りたり、ファクタリングに手を出して抜け出せなくなったりします。
そのような状態から抜け出すためには、応急手当が済んでから絡まった糸を一つ一つ解しながら、融資を受けられる状態まで持って来るしかありません。
そして、出来るだけ多くの金額を調達するようにしています。
その経営者に取って、ここ最近でこんな余裕のある状態は恐らく無かったと思われるレベルです。
余裕が出れば、仕事に集中できますし、倒産等の不安感からも解放されて前向きに将来を考えられるようになります。
そこから、多少時間を掛けて財務改善を積み重ね、キャッシュフローを月商の3ヶ月分まで積み上げて行きました。
それから、多くの会社は2年~3年で、売上が1.5倍から2倍に上がりました。
当然と言えば当然なのですが、多くの業態では売上を上げるには増加運転資金が必要になる訳ですが、財務改善したこれらの会社には既に売上を上げる為に必要な増加運転資金がいつでも出せるだけのキャッシュフローがあるからです。
勿論、経営者の心の余裕や前向きな考え方なども影響しているのは当然です。
3ヶ月分のキャッシュフローと言いますと、利益で貯めると勘違いされている方がいますが、銀行からの借入で全く構いません。
それでもキャッシュフローがそれだけ潤沢にあると、多くの企業は成長して行きます。
このことは、今まで何百社の相談に乗って来て、間違いの無い事実だと思っています。
勿論、中には残念な方もいます。
キャッシュフローが潤沢になると気が緩んでしまい、毎日のように遊び歩いてしまうような経営者は、当然ですが成功しません。
一度、皆さまの会社のキャッシュフローが月商の何か月分あるのか計算して見て下さい。
それで、月商の1ヶ月~2ヶ月あれば、直ぐに資金繰りに困る事はないでしょう。
それでも、月商の3ヶ月分を目指して銀行に融資を申し込んで見て下さい。
そこで借りる事が出来れば、3ヶ月分のキャッシュフローが達成できますし、万一借りる事が出来なければ財務上何か改善しなければ、これ以上の融資が難しいう事が事前に知る事ができます。
事前に知る事が出来れば手を打つ事ができますが、知らなければ資金繰りに困った時に銀行から融資を断られて困る事になります。
ですから、まずは行動に移してキャッシュフロー3ヶ月分を求める事は、資金繰りに躓かない予防にも繋がるのです。

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