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51.財務改善と財務強化後の世界とは?

2019年8月14日

まず、財務と経理の違いについて簡単に触れておきたいと思います。
経理は過去の仕事で財務は未来の仕事であると言う事です。
経理は売上にしても経費にしても確定した後に処理する過去データの処理に関する仕事であるのに対して、財務は今後の資金調達をスムーズかつ有利に行えるよう準備する仕事だからです。
とても簡単に言えば、財務改善とは銀行から必要資金を借りられるようにすることです。
そして財務改善を更に進めて、社債発行や当座貸越など有利な資金調達ができる環境を造るのが財務強化です。
財務改善の例を一つご紹介しましょう。
年商1.5億円で、借入額は3500万円程度です。
業績は悪くないのですが、融資を申し込みますと信用保証協会付で500万円~1000万円程度しか借りられません。
社長は何故1000万円しか借りられないのか、しかも信用保証付きになるのか、全く原因に心当たりがありません。
単純にそれが実力なんだと思って、もっと売上と利益を上げるしかないと思っていたようです。
しかしながら、その売上と利益を上げるためには、先行投資が必要になる訳ですが、1000万円では足りません。
つまり、1000万円しか借りられないと言う事は、大きくは成長出来ないと言う事なのです。
これを半年かけて財務改善した結果、5000万円をプロパーで借りる事ができました。
その結果、1年後には2.5億円を超える売上を達成することができました。
次に財務強化の例を一つご紹介します。
年商8億円で、借入額は2億円程度です。
業績も良く、借入金の内1.5億円は銀行からのプロパー融資です。
このまま既存事業を継続する資金については当面困らない状態です。
しかしながら、今後の飛躍やリスクを考えると新たな事業を立ち上げたいと5億円の融資をメインバンクに求めましたが断られました。
いくら業績が良くても新規事業にこの規模で5億円の融資は難しいのが現実です。
そこで、1年掛けて財務強化を行い、1億円の社債を発行する事に成功しました。
その1億円を自己資金とした事業計画を新たに立てて、4億円の調達に成功しました。
このように、経営者が思い描いたビジネスプランが大きければ大きい程、それを実現するためには財務の専門家の力が必要になるのです。
専門家を使う順番は、最初は顧問税理士で、次に財務の専門家で、次に顧問弁護士ではないでしょうか?
会社をスタートさせたばかりの時期や小規模の間は、顧問税理士を雇うだけで精一杯でしょう。
しかしながら、一定の規模(年商1億円以上)になって、更なる飛躍を考えれば大きな資金が必要になりますので、財務の専門家を雇う事がライバル他社と比較しても差別化になるでしょう。
そして、ある程度成長して規模が大きくなれば、顧問弁護士は必要になるでしょう。
規模が大きくなればなるほど、法的リスクが会社の運命を大きく変えてしまいますし、将来M&Aで会社を売却する時にも法的リスクが売却価格に大きな影響を与えてしまいます。
会社の成長に合わせて、専門家からのサポートを受けると言う考え方を持った経営者は決して多くはありません。
それだけに、専門家の知恵や知識を上手く取り入れた会社は、競争力は確実に上がるでしょう。






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