4.お金が無くてもEBITDAが1億円以上の会社なら買える?
2018年6月10日
2017年度の中小企業白書によりますと中小企業の数は約380万社とされています。
また、帝国データバンクのアンケート調査によれば、後継者がいない中小企業は約66%もあるとの事ですから、単純に考えれば約250万社が廃業やM&Aによる売却を考えなければならないと言う事になります。
ただ、380万社の内、320万社は小規模事業者なので、タイトルにあるEBITDAが1億円以上の会社はありません。
あるとすれば、残りの60万社の内の後継者がいないと言われている66%に当たる約40万社の中にあります。
ところでEBITDAが何であるかご存知ですか?
この指標はM&Aではよく使われます。
色々な計算式があるのですが、比較的簡単な計算式を御紹介します。
EBITDA=当期純利益+税金+支払利息+減価償却費
このEBITDAで1億円以上ある会社で、跡継ぎがいない会社は沢山あると思います。
M&A仲介会社に相談するのは、どこにも引受け手がなく経営者も限界に来た時に限られており、多くのケースでは、取引先や信頼できる知人や友人や経営者仲間などに先に相談しています。
その相談を受けた方から、弊社に買収資金の相談に来られます。
その多くが小さな会社の経営者で、億単位の買収資金はありません。
果たして、借りる事ができるのでしょうか?
相談者の多くが期待しているLBO(買収先の資産やキャッシュフローを担保に融資)ですが、やはり買収会社にも一定の規模と財務内容が無いと難しいと言えます。
更に言えば、「M&Aのプロはどのように資金調達しているのか?(2018/05/29)」でも書きましたように、デューデリ費用に2000万円~3000万円掛けるリスクを取れる必要があります。
それでも買収先の社長と信頼関係があり、買収した会社を成長させる自信があるのであれば、投資家に一旦買収してもらい、経営実績を上げて買い戻す手法もあります。
会社の財務内容によって違いますが、年商数億円の会社が年商と同程度までの会社を買収する資金を銀行から調達できる可能性は十分あります。
それだけの融資を受けられる財務内容でない場合は、やはり投資家スキームしかありません。
投資家が投資する金額は、当然利益が取れる金額です。
精々、EBITDAの2倍~3倍程度でしか買いません。
ですから、高く売りたいと言う買収先には向いていません。
高く売りたい方は、弊社がもっとも得意とする分野ですから、直接ご相談下さい。
では、どのようなケースが向いているかと申しますと、高く売らなくても老後資金に心配なく、それよりも自分に付いて来てくれた従業員に感謝し、授業員をリストラなどせずに大切にしてくれる経営者に安くても引き継いで欲しいと言うケースです。
そのようなケースであれば、一旦投資家に買収してもらい、あなたが経営者として会社を成長させれば、今度はMBOとして買戻しができるようになります。
金融機関も買う前の買収資金には応じなくても実際に経営して業績を伸ばしたと言う実績は評価してくれるからです。