46.不動産担保ローンは奥が深い?
2019年7月5日
長く経営者を務めていると、少し景気の良い時に自宅を買ったり、収益不動産に投資したりと、不動産を所有するチャンスがある方も結構います。
しかしながら、会社を経営していれば良い時もあれば悪い時もあります。
会社の業績が落ちて、融資を受けられない時に不動産を所有していれば、不動産を担保にして融資を受けられる場合があります。
会社の業績が落ちて金融機関から融資を受ける事が出来ないと言う事は、簡単に言えば会社が健全な状態にないと言う事です。
債務超過であったり、2期連続赤字であったり、借入額が限度を超えていたり、社長への貸付金が発生していたりと融資の審査で問題視される原因が必ずあるはずです。
それらの原因を解消しながら、会社の資金不足を補えるように不動産を使わなければ、次も困る事になります。
しかしながら、多くの経営者が単純に不動産を担保にして会社に融資してもらうと言う単純な方法を取りがちです。
それでは、一時しのぎにはなりますが、根本的な解決になっていないと言えます。
更に言えば、ノンバンクの不動産担保ローンを使えば、会社の借入額が増えた上に決算書にノンバンクが載りますので、益々借り辛くなります。
例えば、債務超過1000万円の場合であれば、社長個人が不動産を担保にして個人で1000万円借りて、会社に増資すれば債務超過は消える事になります。
ここで借りたお金で増資して良いのかと言う議論もあるかと思いますが、子供2人のための教育資金として1000万円を絶対に使えないお金として貯蓄しているようなケースですと手持ちの教育資金で増資して、教育資金を借りるとすれば成り立つ事になります。
そのあたりの説明は省いておりますので、ご理解頂ければと思います。
赤字を解消する場合には、社長個人が不動産担保ローンで借りて、会社に貸付て債権放棄すれば債務免除益を計上できますので、最終赤字を消す事ができ、融資の障害となり得る2期連続赤字を避ける事ができます。
勿論、他の方法でもっと良い解決策もあります。
社長への貸付金も同じです。
社長個人が不動産担保ローンで借りて、会社に返済すれば決算書から貸付金を消す事ができ、融資を受ける事ができるようになります。
他にも所有不動産の使い方で会社を大きく成長させる事ができる場合もあります。
例えば、不動産で現物増資して社債発行条件の純資産をクリアーして、私募債を発行してまとまった資金を確保する事が有効な場合もあります。
多くの経営者は、折角不動産を所有していても単純に担保にしてお金を借りる事しか知りません。
財務の知識があれば、不動産の有効活用で会社のピンチを根本から解決したり、会社を成長させる戦略に使う事が出来るのです。