40.資本増強は零細中小企業にこそ必要?
2019年5月25日
資本増強と言うと株式上場やM&Aなどに関係するもので、零細中小企業には縁が無いと言いますか、考えた事も無いと言う方が殆どです。
しかしながら、本当は逆で零細中小企業にこそ必要なのです。
元々、零細中小企業は資本金が少なく、少し大きな赤字が出たり、2年~3年赤字が続いたりすれば、直ぐに債務超過に陥ってしまいます。
例えば100万円の資本金の会社では、赤字が100万円を超えれば債務超過ですが、資本金が1000万円であれば、赤字が100万円でも純資産は900万円残っています。
債務超過になれば、当然融資が受けられません。
どちらの会社が安全であるかは一目瞭然です。
では、どのようにして資本を増やして安全な会社にすれば良いのでしょうか?
まずは社長個人の所有物の中で仕事に関連するものをリスト化して見て下さい。
個人名義の車や自宅で仕事にも使っているパソコン等があれば、現物出資するのも一つの方法です。
一般的には、役員報酬の一部を未払にして会社に貸付て貯金しておいて、一定の金額になれば、役員借入金を現物出資する、いわゆるDESと言う手法で増資します。
もう少し効率的な方法としましては、儲かった時に配当で例えば500万円を出して、それを少人数私募債に振り替えます。
それに年利8%を付けて、金利の40万円も少人数私募債に組込んで複利で増やして行きます。
9年ぐらいすれば1000万円に増えていますので、現物増資する事もできます。
これらは基本的な資本増強方法ですが、会社分割や別会社設立などの方法で一気に大きく資本を増強する方法もあります。
資本の増強は、単に安全な会社にすると言う事だけではなく、自己資本比率を上げたり純資産額を増やす事につながり、融資の上でも大きなメリットがあります。
つまり資本の増強は、少々の不況にも負けず、チャレンジの為の資金調達にも有効に働く財務上重要な戦略の一つでもあります。