35.代位弁済後に別会社で商売をするのは考え物
2019年4月13日
どうしても商売が上手く行かずに会社を閉じて、信用保証協会から代位弁済を受けた方から相談を受ける事があります。
多くの場合、個人保証をしていたため信用保証協会に僅かでも返済しながら、新たな会社で商売を始めています。
処がその新しい会社で資金が必要になっても借りる事が出来ずに相談に来られるのです。
勿論、ケースバイケースなのですが中小企業が借入を行うのであれば、やはり信用保証協会や日本政策金融公庫などの政府系の支援や信用補完が必要です。
特に求償権の残高が然程多くない場合には、別会社を起こして再出発するよりも既存の会社を再建した方が全額返済できなくても真面目に対応していれば求償権消滅保証を受けて、新たな借入を受ける事ができる可能性があります。
もし、別会社で再出発したいのであれば、運転資金の必要のないビジネスを選択して、無借金経営を目指す道もあります。
それで大成功すれば、銀行もプロパー融資を行うようになりますし、上場すれば信用保証協会は全く関係なくなります。
勿論、そこまで成功すれば個人で求償権も清算出来ると思いますし、通常の運転資金の必要なビジネスに変更する事も可能になります。
しかしながら、そのように成功する例は殆どないのが現実です。
やはり、成功するために融資が受けられないと言うのは大きなハンディキャップになるからです。
ですから、代位弁済になっても早まらず既存の法人を継続して、無借金経営できるように構造改革を行ったり、新たなビジネスを起こして継続できる方法を考えて見る事をお勧めします。
恐らく継続を選択されない一番の理由は、金融機関やノンバンクや仕入先等への支払いが出来ずに、それらの債務をどのように処理して良いか解らないからだと思います。
しかしながら、夜逃げでもしない限り会社を畳んでも個人保証している金融機関やノンバンクの整理はしなくてはなりません。
仕入先などは商売を続けるためには分割払いでも支払わなければなりませんが、このような交渉を経験されると、世の中の厳しさは勿論ですが人情もある事が解り今後の商売に対する考え方が良い方向に変わる方が多いと言えます。