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34.投資案件を融資で解決できるのか?

2019年4月6日

ベンチャー系と言うとかっこ良いのですが、要するに開発に没頭し売上ゼロの会社の話です。
開発先行型のベンチャー企業と言えばかっこ良いのですが、相談にこられる方の多くは頭が良くて投資家から資金を引き出す事業計画書を書けて行動力のある優秀な人物の場合が多いと言えます。
しかしながら、予定が何年も遅れて資金が調達できずに相談に来られる訳です。彼らは頭は良いのですが総じて世間知らずと言いますか学生気分なのです。
いつも自分の開発テーマが如何に素晴らしく、将来大きな利益をもたらすかと言う話ばかり主張しています。
それで、まず融資と投資の違いから説明しなければなりません。
融資は、国の制度である創業資金を除けば、過去の実績に基づき将来が実績の延長線上にあると想定して貸すものです。
投資も融資と同じ部分がありますが、スタートアップとかアーリーステージと呼ばれる段階でリスクを取って出資する場合もあります。
この投資であれば、売上が無くとも資金を得る事ができる可能性はあります。
しかしながら、融資は実績がなければ審査のしようがないのです。
ですから、売上の実績が無いか非常に低い場合には、投資家を探すアプローチが正解だと言えます。
それもいくら自信があり投資を引き出した経験があっても、所詮素人が作成した事業計画書(投資家用)では、そんな多くの出資額を集める事はできません。
自分で書いた事業計画書を持って多くのベンチャーキャピタルや投資家を回っても資金がでないから相談に来ていることをすっかり忘れてしまっているのです。
事業計画書の書き方が上手い下手の前に、事業計画書通りに行かなかったから資金が足りなくなった事に率直に向き合うべきです。
つまり見通しが甘いのか資金を得るためだけに嘘の計画を作成したのかは分かりませんが、計画通り行かなかったのは事実です。
一度騙された投資家は二度目は騙されません。
本当に投資家の支援を受けようと思うのであれば、計画の一つ一つに達成できる根拠がなければなりません。
更に言えば、それが失敗した時のフォローアップ策も必要です。
そこまで計画を練っても5年間赤字で、投資を回収するのに10年掛かるとすれば、その根本的なやり方を見直す必要があります。
そこまで、考えられた事業計画を作成されているのでしょうか?
取り敢えず、独りよがりの計画書を書いて、その計画を達成できなければ期間延長して書き直した事業計画書で投資家を探しても見つからないでしょう。
まるで大学受験のように落ちたら浪人してでも目的を達成するぞと言う諦めない自分に陶酔している学生気分の経営者と言わざるを得ません。
しかしながら、ビジネスの世界では事業計画書通り実現してこそ信頼を得る事ができ、次の資金も調達できると言う事を知らなければなりません。
事業再生で少し重症ぎみの再生協議会案件の経営改善計画書でも素人では書けませんので専門家に頼んで200万円ぐらい掛かります。
ましてベンチャー企業で返済の必要のない出資を受けるのに、投資家ばかりに投資を求め経営者は事業計画書一つにも専門家のアドバイスを受けるために投資する事すらしません。
少し厳しい事を言いましたが、一旦行き詰ったプロジェクトに資金を調達しようとするのであれば、投資家の目線に立ってもう一度プランを練り直して見る勇気が必要です。
投資案件を融資では解決できないのです。




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