148.正常化交渉のポイントとは?
2022年9月21日
リスケしてから正常化を行うまでには、それなりの時間が掛かります。
出来るだけ早く正常化するためには、実現性のある経営改善計画書を作成して、金融機関に提出して、それを毎月上回る実績を上げる事が重要です。
確実に実行できる計画で利益を出すには、基本的には売上は現状維持で経費削減で利益を出す計画になります。
良く売上を上げる計画を立てる方がいますが、リスケ中には融資を受けられない事が前提になっておりますので、融資が必要になる可能性が高い売上を上げる計画は信用されないのです。
そのような売上を上げる計画でも、多くの金融機関が黙って改善計画書を受け取ります。
ただ、この経営者はリスケの意味が解っていないと思われ、正常化が遅れる事になるでしょう。
次に重要な事は、複数行のリスケは元金全額ストップの同条件で統一して交渉する事です。
金融機関によっては、少しでも元金返済を弊行だけでもお願いできないかと言われる事があります。
まず、元金ゼロでなければならない理由は、少しでも手元資金を多く残しておくことが、売上増に繋がり経営改善計画を上回る事ができる可能性が増えるからです。
それに、元金10万円返済しようが、元金ゼロであっても融資契約違反には変わりありませんので、信用を無くすと言う意味では全く同じですから、それなら自社に都合の良い条件を勝ち取った方が良いと言えます。
ところが、複数行と交渉していますと、担当者によってはプロパーと保証協会付きや担保不動産のある融資は分けて考えて欲しいとか、融資方式に関係なく一律に金額だけで考えて欲しいなど、少しでも自行が有利になる交渉をされることもありますが、全ての金融機関に同じ条件を飲んでもらう必要があります。
もし、話を纏めるためにどこかの金融機関だけに優遇して多く返済すれば、それは偏波弁済となり、後に正常化の足枷になり兼ねないからです。
リスケから正常化までには、色々な配慮や交渉が必要になります。
リスケをするかしないかも含めて、専門家に相談する事をお勧めします。