146.不動産担保融資は公庫から借りるべし?
2022年4月23日
日本政策金融公庫から借入を行った経験のある方は解る方もいるかも知れませんが、一定の金額を借りるとそれ以上中々貸してくれません。
つまりその状態が、余程業績が悪化していない限り無担保枠を使い切ったと考えておいて差し支えありません。
大概の場合は、その状態にあっても制度上の枠は残っています。
つまりそれ以上借りるには担保が必要だと考えて頂いて大きな間違いはありません。
そこで不動産をお持ちの方は、有効な担保となり得ます。
しかしながら、不動産を担保に入れるのであれば、銀行でも信用保証協会でもノンバンクでも借りれる可能性がありますので、普通は最も担保価値を認めてくれる金融機関に出して、出来るだけ多く借りた方が得ではないかと思いがちです。
しかしながら、担保に出すなら日本政策金融公庫をお勧めします。
まず、担保設定の登記に必要な登録免許税が掛かりません。
3000万円の抵当権設定に12万円の登録免許税が掛かりますので、それが日本政策金融公庫なら無料になります。
それは小さな特典に過ぎません。
我々、財務の専門家から見れば、業績が落ちて例えば債務超過に陥ったとしても不動産の担保を解除して他行に担保提供して資金調達できるのは公庫だけなのでリスクヘッジとしての制度もあるからです。
勿論、誰でも簡単に出来ることではありません。
ただ、そのような機能を備えており、成功した経験も持っているからです。
簡単に言いますと、無担保で2000万円、不動産担保で3000万円の合計5000万円借りていたとします。
この時、業績が落ちて2000万円の債務超過になったとします。
このような時に公庫の劣後ローンを利用する訳ですが、利用の条件に他行の支援(融資)が条件になっております。
しかしながら、債務超過時に他行から融資を受けるのは至難の業ですから、どうしても100%保全できる担保が必要になります。
それで公庫さんに申し込んだ6000万円の劣後ローンの内、5000万円は既存の借入を振り替えてもらえるようお願いします。
それが実行されれば、不動産担保は外れる事になります。
何故ならば、劣後ローンは無担保だからです。
それで、担保から外れた不動産を他行へ提供する代わりに支援を受ければ良い訳です。
不動産を初めから日本政策金融公庫以外の金融機関に担保として提供してしまっていたら、このようにして担保から外して再利用なんてできません。
大筋だけ説明しましたが、このように簡単にはできませんので、必ず専門家の方に相談しながら進めてください。