137.劣後ローンはどのように調達すれば良いのか?
2021年9月4日
日本政策金融公庫の資本性ローン(新型コロナ対策資本性劣後ローン)は、借入金ですが、他の借入より返済順位が劣後するため資本と見なせるローンの事です。
簡単に言えば、5年から20年の間で借入を行い、期限まで金利だけの支払いで元金の返済が必要のないローンなのです。
但し、期限になれば元金を一括払いしなければなりません。
では、どのようなケースで借りられるかと言いますと、一番当てはまるのは赤字続きで債務超過に陥ったが、今後急回復する計画が見込めると同時に、直近の3か月程度黒字に転換しており、計画の信頼性を裏付けられるような方です。
劣後ローンは資本性ローンとも呼ばれている通り、債務超過の会社で借りる事が出来れば、債務超過を脱して資産超過と金融機関は見なすことができますので、融資が行いやすくなります。
折角V字回復する可能性が高いのに債務超過では、民間金融機関は貸して支援したくとも支援する事ができません。
そこに劣後ローンが入って、疑似的であっても債務超過を抜け出せば民間金融機関も支援することが可能になってくるからです。
ただ、問題は債務超過の状態であっても日本政策金融公庫から劣後ローンを借りるためには、現実的に言えば支援行がある事が前提になる事です。
つまり、債務超過時点で公庫から劣後ローンが下りて債務超過が解消されたら、融資をすると約束してくれる支援行が必要になるのです。
その支援行の融資は、保証協会付融資でも構いませんし、不動産や保険などの担保を使った融資でも構いません。
商工中金などの政府系金融機関の融資は支援には当たりません。
あくまでも民間金融機関からの融資支援が必要なのです。
この民間金融機関からの支援を取り付ける方法以外にも、再生支援協議会を使う方法もありますが、大変ハードルが高く実際には使えないと思っていた方が良いでしょう。
勿論、今後のコロナの状況によっては日本政策金融公庫が方針転換して積極的に受け入れる可能性もゼロではありませんが、現時点では難しく支援行を探した方が現実的でしょう。