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136.経理強化が業績不振を救う?

2021年8月7日

2期連続赤字や債務超過になるほど業績が悪くなると、金融機関からの融資が受け辛くなります。
皆さんも頭では解っていると思いますが、感覚的に解っていないのは金融機関は業績の悪い会社には貸さなくても良いし、貸したくないと思っている事です。
それを解っていれば、貸したくない相手が銀行に手ぶらで訪れて貸してくださいと頭を下げに来られても、「返済できる証拠ぐらい持って来いよ」と言うのが本音なのです。
確かに業績は落ちましたが、○○して利益を出しますので返済できますと言う根拠のある数字で作成した事業計画書の一つでも持って来て頼まれるのであれば、考えなくもないと言うのが本音でしょう。
業績の良い時は、決算書と試算表ぐらいで貸してくれたと思います。
若干、業績が落ちて赤字になった時には、資金繰り表を追加で求められたぐらいで借りられたと思います。
今、資金繰り表と簡単に言いましたが、案外まともな資金繰り表を作成できる中小企業は多くありません。
何故ならば、資金繰り実績表を出せる税理士事務所と付き合っている人は少ないですし、自社で対応できるだけのノウハウを持っている会社も少ないからです。
資金繰り表は、実績値と予想値から成り立っていますので、実績値を正確に出せる必要があります。
金融機関からすれば、実績値が間違っていたら、予想値も信頼できませんので、やはり経理能力が必要です。
勿論、自社内で持つ事が理想ですが、会社が小さい内は能力のある税理士事務所と付き合う事でもカバーできます。
それが出来れば、収支計画書(PL)をセットすれば、簡単な事業計画書になります。
収支計画書は、売上と経費で形成され、その差額は利益ですから、そんなに難しくはありませんが、問題は数字の中身です。
簡単に言えば、計画値の信憑性が重要です。
何故、その売上予想が出たのかと言う根拠を示すことが重要です。
それから、事業計画書も大切ですが、試算表を早く作成して提出する事も大変重要です。
通常は、2か月後に出来ると思います。
遅い会社は3か月後しか出ないと言う会社もありましたが、これは遅すぎて業績悪化時には、かなり不利になると思います。
何故かと言いますと、一番新しい実績値が3か月前の数字ですから、業績悪化の中では、現時点ではもっと業績が悪くなっているかも知れないからです。
ですから、業績悪化時は逆に1ヶ月遅れで試算表を作成できるよう強化することをお勧めします。
そうすれば、試算表の数字は先月分ですから、現状と大きな差異はないと考える事ができますので、審査もやりやすい訳です。
ところが業績の悪い時に3か月の空白があると、その間にもっと業績が落ちていたら怖いので、今回の融資はお断りした方が良いとなってしまうのです。
金融機関は、解らない空白の期間が長ければ長いほど、解らないものには貸せないとなってしまうのです。
ですから、普段から経理を強化して集計と経理ソフトへの入力をスピードアップするだけでも困った時に助かる確率が上がるのです。
実績値が早く出れば、金融機関だけではなく、経営資料としても赤字か黒字か早く解れば、それだけ早く手を打つ事ができますので、経理の強化は地味ですが会社を倒産から救う重要な事なのです。

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