113.M&Aで良い買収先はどう探せば良いのか?
2020年11月28日
M&Aで買収して成長したいとお考えの方は、一体どのようにして利益の出ている会社を捜し、それを安く手に入れるにはどうすれば良いのだろうとお悩みの方もいると思います。
これは専門家に取っても難しい問題です。
まず、M&Aマッチング会社が運営しているサイトでノンネームシートレベルで利益の出ている会社を捜せば、利益が多く出ている会社ほど高い値段がついています。
そうしますと予算が合わないと言う事になり兼ねません。
それに競争力も高いので、大きな値下げも期待できません。
実は、ノンネームシートで赤字であってもかなり儲かっている会社はあるのです。
簡単な例を上げますと、年商3億円で赤字1000万円の会社で、社長の役員報酬が6000万円だったらどうでしょう。
売却して社長が退職すれば、直ぐに営業利益が5000万円の超優良会社に生まれ変わります。
新たな社長に2000万円払ったとしても営業利益3000万円の優良会社です。
これなら、買収する価値が出るのではないでしょうか?
このような解りやすい例は稀ですが、社長の役員報酬は然程でなくとも、経費を細かく精査すれば、社長の趣味のゴルフ会員権や高級外車や身分不相応の社長室や応接室や海外視察と称した海外旅行費などが多額に計上されているケースもあります。
また、従業員の給料構成も目を凝らして見ると、愛人の御手当が紛れ込んでいることもあります。
つまり、この社長が辞めたら幾らの経費が節約できるのかと言う視点で見なければ、本当の収益性は分からないのです。
ですから、ノンネームシートレベルで選択をしようとする人は、絶対に良い案件は回ってこないでしょう。
やはり、一定の行動力が必要で、良いと思った先に決算書ぐらいは公開してもらってから、判断する事が重要です。
それも単純なPLとBSだけではなく科目明細が付いたものを取得して検討すべきだと思います。
それで、異様に役員報酬が高いとか給料が高いとか旅費交通費が高いなどの特徴を掴んだら交渉に入ると言う事を繰り返すしかないでしょう。
一定の数をこなせば、見る目も肥えて来ますし、直感も冴えて来ると思います。
後はタダのマッチング専門のFAではなく、そのような分析とアドバイスが出来るFAを選ぶ事も重要でしょう。