95.再生計画の意味を知らないと倒産する?
2020年7月16日
再生協議会へ持ち込んで、紹介された中小企業診断士の先生等に作成してもらった再生計画書の意味を良く理解していない経営者の方が困って相談に来ます。
そもそも何故、再生協議会へ持ち込むかと言えば、一定の規模の会社で直接銀行と交渉してリスケジュールをお願いしても断られて、銀行から再生協議会へ持ち込むよう言われたケースが多いのではないでしょうか?
何故、銀行に断られるかと言えば、手ぶらで行ったり事業計画書を作成しても再生計画になっていなかったり、多くの銀行と取引があって、意見をまとめる事ができないケースが多いのではないでしょうか?
何れかの理由でリスケジュールを断られ、仕方なく再生協議会へ持ち込み、紹介された専門家にお金を払って再生計画書を書いてもらって各行に説明して、ようやくリスケジュールが認められたと言う経緯をたどっています。
経営者は、リスケジュールに応じてもらえれば、それで安堵して再生計画の中身を理解しようとしません。
自分の会社の事は自分が一番知っていると安易に思って、とにかく売上を上げれば何とかなると口を揃えて言います。
では何故、資金繰りが付かず資金調達の相談に来たのかと問うと、リスケ中で銀行融資が受けられないので、仕方なく相談に来たと言います。
それで、その専門家が作成した再生計画を見ながら、解説させて頂きました。
計画では5年間の売上予想は、ほぼ同じ売上になっており、売上は上げない計画になっていると説明すると驚いておりました。
次に、経費の計画は年々下がっており、その分利益が増えていることを伝えました。
リスケジュールを行えば、融資が受けられませんので、追加の運転資金が必要にならないように売上を上げずに経費を削減して利益を出して再生する計画なのです。
その再生計画を前提に、リスケジュールが認められている訳です。
そこを無視して、売上を拡大すれば多くの事業形態で運転資金が必要となり、融資を受けないと資金繰りが破綻してしまう事があります。
そして、再生協議会を通して決め事をしてしまいますと、全行一致でないと動けなくなり、リスケジュールから卒業するタイミングが遅くなってしまいます。
再生協議会を使わず専門家に再生計画書を作成してもらい、個別交渉をした方がリスケジュールによる返済金額は同じですが、業績が回復して来た時に積極的な銀行に融資を出してもらったり、他行分を借換えてもらったりして、リスケジュールから抜出す手法が多くなります。