87.コロナ融資が間に合わない時にはどうする?
2020年5月17日
メルマガにも書きましたが、日本政策金融公庫には20万件以上の相談が押し寄せ、審査に通っても融資実行まで3ヶ月も掛かるケースがあります。
それまで資金繰りが持たずに、店を閉じたり会社の継続を諦める経営者の方もいます。
信用保証協会の4号や危機対応も市区町村から認定書を発行してもらう必要がありますので、都市部では混雑しており、面談まで2ヶ月以上待たされる事もありました。
最近は、認定書の取得を金融機関が代行できるようになりましたので、金融機関に相談すればワンストップで融資を受けられるので、少し早くなりました。
日本政策金融公庫に申し込んで遅い方は、銀行経由の保証協会の方が早くなるケースもありますので、お付合いのある金融機関に相談して見て下さい。
それでも間に合わない時には、審査が早い「つなぎ融資」を利用するのも一つの解決策だと思います。
地域は限られますが、きらぼし銀行の「新型コロナウイルス対策緊急つなぎファンド」も良いと思います。
日本政策金融公庫のホームページにきらぼし銀行を含む9行が、紹介されています。
https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/covid_19.html
これは日本政策金融公庫が遅くなるため、自らのホームページに急ぐ方に、このような取組みもある事を紹介しているものだと思います。
ただ、公庫よりも審査基準が厳しいので、誰でもとは行かないと思います。
やはり、このような緊急時に於いても普段から財務改善を行っていたり、キャッシュフローを潤沢にしておく、いわゆるキャッシュフロー経営と言う財務戦略が功を奏する事は間違いありません。
リーマンショックの時もそうですが、このようなピンチが今後もあり得ると考えて準備する経営者だけが生き残れると思います。
皆さんには、経理と財務は別物であり、普段税理士先生にお世話になっている部分は経理であり、資金調達は財務分野である事を御認識頂ければと思います。
多くの会社は税金を払う計算である経理には税理士と言う専門家の知識を活用し、会社を運営するために必要な資金調達には財務の素人である社長の知識と経験だけで挑んでいる訳ですから、ピンチが訪れても何の準備も出来ていないのが普通です。
生き残れるかどうかは、運と環境次第という状況に身を委ねざるを得ない状況を招いた経営者はプロの経営者と言えるのでしょうか?
財務戦略を持った中小企業はすでに潤沢なキャッシュフローを持っており、ライバル他社が廃業せざるを得ない時に、頼まれて従業員を引き受けたり、場合によっては会社を引き受けたりして、お役に立つと同時に大きく成長する原資を得ていると言えるでしょう。
財務の専門家が提唱するキャッシュフロー経営とは、そのような力があるのです。