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68.DD費用が無ければM&A資金は調達出来ない?

2019年12月7日

M&Aでの買収資金調達の相談が結構あります。
しかしながら、多くの経営者はM&Aを理解していません。
億単位で買収するには、一流専門家(財務税務/法務/営業)によるデューデリ費用(2000万円~3000万円)が必要になります。
例えば、3億円の買収資金が必要として、それを金融機関から借りるためには、担保が必要になると考えて頂いた方が解りやすいと思います。
買収先の会社を担保に資金調達をする手法をLBOと言いますが、正にそれでね。
これが不動産であれば、路線価や公示価格など政府が決めた基準価格がしっかりしていますので、金融機関も直ぐに担保価値を査定する事ができます。
しかしながら、中小企業は決算書だけを見て金融機関と言えども担保価値を算出することは出来ないのです。
特に中小企業は法務リスクに疎く、労働基準法を遵守した残業代が払われていないケースもありますし、意図せずとも多くの法律違反を犯しているケースを良く見かけます。
このような経営者が代わった後に請求される恐れのある法務リスク分を考慮しなければ、本当の企業価格がわかりませんから、担保評価もできないと言う事になってしまうのです。
他にも決算書の粉飾も金融機関では見抜けないものが沢山ありますので、顧問税理士レベルではなく一流専門家によるチェックが必要になるのです。
それらのデューデリ費用を負担してデューデリ報告書を金融機関に提出して初めて担保価値が算出できる事になる訳です。
不動産でもフルローンが組めても、仲介手数料などの諸費用が必要になるのと似ています。
一番心配されるのは、デューデリを行った後に買収価格が折り合わず破断になった場合、買収側がデューデリ費用分を負担するとすれば損失が発生するのではないかと言う事です。
そのようにならないように合意書に売却側の事情でキャンセルする場合はペナルティーをデューデリ費用分以上付けておくのが一般的です。
ですから、M&Aで買収を考えている方は、いつでもデューデリ費用を捻出できるだけの潤沢なキャッシュフローを持てるように財務改善から始めるべきなのです。
勿論、買収価格が数千万円程度であれば、高額なデューデリ費用がなくとも資金調達は可能になります。

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