64.融資は他人任せで下りるのか?
2019年11月16日
会社の年商規模が数十億円あれば、経理部や経理課程度の組織は持っていると思います。
そのような専門家を抱えた上に業績が良く、通常の運転資金の折返しぐらいなら社長がいなくても融資は可能でしょう。
しかしながら、年商10億円以下の中小企業では、やはり社長が金融機関と合って交渉する方が良いでしょう。
それでも金融機関と交渉するのが苦手であったり、財務経理の知識がなく銀行員に数字の事を専門用語で質問されるのが怖いから合わないで人任せと言う経営者を時々見かけます。
特に初めての銀行交渉で、社長が社員任せに交渉させると非常に不利だと言えます。
金融機関の評価は、定量評価と定性評価の両方から成り立っているからです。
定量評価は決算書や試算表などの数字の評価なので、社長がいなくても関係ありません。
しかしながら、銀行員は社長の経営方針や人柄などを見て定性評価として点数化するのです。
ですから、社長が面談しなければ、どんな人か解りませんから、評価は低くなってしまいます。
銀行員からすれば、借りる時にも出て来ない社長が返済できなくなった時に銀行員に合う訳がないと考えてしまい、貸すのが怖くなる場合もあるのです。
この定性評価の比率が高いのは信用金庫や信用組合などの比較的規模の小さい金融機関ほど重視する傾向にあります。
評価全体の35%程度を定性評価が占めると言われています。
中小零細企業は、社長次第で業績が変わると言われていますので、社長に会えず定性評価ができず0点であれば、決算書が満点でも65点しか取れません。
逆にメガバンクなどの大手銀行は、決算書の数字などの定量評価を重視していますので、定性評価の比率は低いと言えます。
低いと言ってもゼロではありませんので、合って話して点数が増えるのであれば、合わない選択はあり得ません。
銀行員と合って交渉が苦手な経営者は、経理担当者や顧問税理士やコンサルタントなどに同席をお願いしてでも、交渉テーブルについた方が良いでしょう。