ブログ

61.資金の裏付けがあってこそビジネスに?

2019年10月26日

皆さん商売には鼻が利くようで、色々な儲け話を持って相談に来られます。
しかし、多くは資金調達できる条件が揃っていないのです。
例えば、輸入資金として4000万円を先払いすれば、輸出先は決まっており5000万円で売れるし買い手は既にLCを開設していると言うような話である。
つまり日本の小さな貿易会社がA国から現金で仕入れて右から左へB国に販売が決まっていて代金もLCで保証されているので瞬時に1000万円が儲かると言う話です。
ただ、現金仕入れの4000万円が無いので借りたいと言う事です。
結論から申し上げれば、この4000万円を貸す金融機関もノンバンクもありません。
まず、この日本の小さな貿易会社は当然ながら、お付合いのある金融機関に断られています。
つまり4000万円を貸せるような財務内容ではないと言う事です。
そのような危ない会社に儲けの1000万円より大きな4000万円を貸したら、持ち逃げされる危険があります。
次に、A国の売手に先払いをしても商品が必ず送られてくるかどうかと言うリスクもあります。
つまり、この取引は安全性が確保されていないと言わざるを得ません。
B国へ輸出すれば、代金はLCで保証されていますが、A国との取引にリスクがあり融資の対象にならないのです。
このような時には、少なくともA国の販売業者に現金前払いではなく、信用状(LC)での取引に切り替えるよう交渉して来る必要があります。
それで初めて、日本の銀行と交渉して4000万円の融資を受けるが、そのまま定期預金にして、それを担保にLCを開設して貰えば可能性のない話ではありません。
何故なら、融資した銀行はB国への輸出代金がLCで担保されているのであれば、A国からの輸入資金を融資しても定期預金で取崩せなければ、信用状(LC)だけで取引が出来て、商品がB国へ届けば売掛金で回収できるからです。
この例のように銀行がどうすれば貸せるのかと言う資金の裏付けができるスキームで商売を考えるべきなのです。
単純に取引先の都合を御用聞きのように聞いて来ても資金の裏付けは取れません。
取引を行う前に、どのような取引形態にすれば資金調達が出来るのかを知っているかどうかで交渉に違いが出てきます。
大きな取引であればあるほど、財務知識が必要で営業力だけではどうしようもないのです。




お問い合わせ

ご相談は、お電話またはメールフォームにてお気軽にご連絡ください。

お問い合わせ:03-6717-4600
お問い合わせ

ページの先頭へ