42.口座開設も融資も厳しくなる?
2019年6月8日
スルガ銀行の不祥事から、東日本銀行や西武信用金庫などを手始めに金融庁の検査で問題ありが多発してからか何だか色々と厳しくなって来たように感じるのは私だけでしょうか?
口座開設に至っては、税理士さん等から紹介が必要であったり、創業したてはお断りで決算1期目以降と言う条件を付けている金融機関もあるようです。
国が創業支援に力を入れているのにも関わらずです。
以前は法人口座を作る時には、金融機関に電話して担当者に会社まで来てもらうと言うのがセオリーでした。
しかしながら、最近は一旦店舗に来店するよう言われるケースが増えて来ました。
まずは、店舗で口座開設の理由や会社の事を聞かれて、問題が無さそうであれば登記謄本や決算書等の資料を店舗に提出するように言われ、その後で断られる事もあります。
つまりマネーロンダリングなどに使われないよう慎重に審査しているとの事でしょうが、明らかに決算書の内容次第と言える選別ではないでしょうか?
また、融資姿勢についても厳しくなって来たと思います。
元々、低金利が続き金融機関の収益環境が悪くなっている所へ、スルガ銀行の不祥事が切っ掛けとなり、盛り上がっていた不動産担保融資が一機に冷え込んでしまい収益源の一つを失ってしまった訳です。
金融庁からは事業性評価融資を促進するように言われていますが、今の金融機関に事業性を評価するノウハウはありませんので、ただの無担保融資になってしまっているのが現実です。
ですから不動産担保融資のように比較的安全に収益を見込めるビジネスモデルがないと事業性評価融資のリスクは取れない訳です。
それで、不動産担保融資が減った分だけ、信用保証協会への回帰現象が起きているような気がします。
そもそも中小企業の63.5%(2016年度)が赤字企業ですから、無担保のプロパー融資を安全に出せる先は、限られているのです。
ですから、最近の金融機関が営業に来ると他行の信用保証協会分を借り換えて頂ければ上乗せ(真水)で○○万円を出しますと言うのが増えて来ました。
この話に乗ってしまいますと、取られた方の金融機関からの信頼は失われてしまいますので、2度と融資をしないと言う場合もありますので注意が必要です。
私の勝手な考察ですが、今後しばらくは信用保証協会の枠がある内はプロパー融資が難しくなると思いますし、枠が無くなれば融資を受けられないと言うケースも増えて行くと思います。
今後は、プロパー融資を受けられる上位チームに入らないと、今までのようには行かないと思います。
そのためには、財務改善又は財務強化と言う考えを取り入れて行く必要があるでしょう。