31.経営者評価は案外と厳しい?
2019年3月17日
金融機関の審査の基本は、銀行であってもノンバンクであっても、業績や担保の他に経営者の評価、いわゆる定性評価的なものがあります。
メガバンクのような大手は、業績重視で定性評価部分の割合は比較的低いと言えます。
しかしながら、信用金庫や信用組合などは、経営者の評価いわゆる定性評価の比率は高くなります。
意外に思われるかも知れませんが、ノンバンクも経営者の評価は結構気にします。
当然ですがノンバンクには銀行で借りられない経営者が大勢借りにきますので、多くの場合は担保を取りますが、それでも経営者評価は重要になります。
何故ならば、お金が無い人が返済するかどうかは、何を優先するかに掛っているからです。
勿論、CIC等の個人信用情報に3社以上から借りていたり、遅滞が2回以上あったりすれば、ノンバンクは勿論のこと住宅ローンなども難しくなります。
ですから、お金にルーズな人や約束を守らない人や連絡の悪い人や資料提出が遅い人等は、返済を優先する人とは思われませんので評価が下がってしまいます。
折角、紹介してもノンバンクの担当者から、要求した資料が未だに出て来ない、申し訳ないが月内は一杯なので来月に回しても良いかと尋ねられたりします。
それで、本人に尋ねると今月中に借りたいと言うではありませんか。
それなら、直ぐに求められた書類を出すよう促しましたが、それから5日経っても出てきません。
月末まで後2日です。
結局、否決されてしまいました。
本来、定性評価とは数字に表せない評価の事で次のような項目があります。
●経営者、経営陣の性格・資質、業界経験・知識
●株主の構成及び変遷
●従業員の特質
●創業よりの事業の沿革
●外部関係者(会計士・監査法人、弁護士等)
●経営者、経営陣の交友関係者
●取引金融機関
●主要な取引先(販売・仕入先等)
●業界の特徴(成長性、収益性、規模等)
●市場環境(規制、参入障壁、海外市場等)
定性評価には、これらの項目が関連しますが、数字で表せないだけに担当者の印象で、どのようにも書けると言えます。
ですから、融資の交渉を部下に任せる人がいますが、これも論外です。
お金を借りる事を、軽く考えていると思われても仕方ありませんし、定性評価の経営者の部分で良い印象を与える事ができません。
金融機関の担当者に合わないだけでも不利な訳ですから、お金にルーズな人や約束を守らない人や連絡の悪い人や資料提出が遅い人等は論外と言える訳です。
勿論、それでも借りれる人は沢山います。
業績が良かったり、担保で保全が効く人達は、数字で評価できる定量評価が良ければ、、総合点が合格ラインを超えるからです。
しかしながら、業績が少し悪くなると直ぐに否決されてしまいます。
業績に左右されない定性評価は、良くしておくに越した事はありません。
何か思い当たる方は、少し修正される事をお勧めします。