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10.成長資金を調達できるかどうかで会社の運命は大きく変わる。

2018年7月25日

最近、成長中の若い社長さんからの相談が増えています。
決して借りられない訳ではないのですが、成長スピードを更に上げるためにはより多くの資金が必要と考える経営者の方が結構いるからです。
一例をあげますと成長中の製造業の若い会社さんからの相談で、工場拡大のための資金が6000万円必要との事でした。
相談を受けた年の直近の決算書で年商9500万円の会社でしたが、急成長中でその期の決算予測では1.5億円が見込める状態にありました。
急成長中とは言え、既に3800万円弱の借入がある中で6000万円を追加で借りるのは、決して簡単ではありません。
結論から言いますと、8000万円を借りる事ができました。
6000万円は必要資金ですが、予備として2000万円多く借りて置きました。
しかも予備の2000万円は、元金返済不要で金利だけ払えば良い当座貸越で資金繰りを圧迫しない借り方にしました。
これだけの金額をこの条件で借りるのは簡単なようでやはり素人では難しいと言えます。
恐らく専門家のアドバイスが無ければ、3000万円~4000万円程度で終わったと思います。
それでも運転資金に困る事はありませんが、事業拡大資金としては少し先延ばしにするか、小規模な拡張にするしか無かったでしょう。
この差を繰り返せば、10年も経てば大きな差になってしまいます。
どちらが先に業界ナンバーワンに近づくかは明らかだと思います。
上場会社には財務部があるように、中小企業でも財務機能を持つだけで、ライバル他社を圧倒的に引き離す事が出来ます。
それも単純に沢山借りられると言うだけではありません。
黒字倒産から守るのも財務の役割です。
倒産会社の4割は黒字倒産ですから侮れません。
つけ麺で有名な六厘舎を運営する(株)松富士食品の竹田社長も言っておりましたが、1店舗目で行列が出来たので、単純に店舗数を増やして行けば儲かると考えていたら、28店舗目ぐらいから倒産しそうになったと言っていました。
コンサルティングを受けなければ、あのまま倒産していたかも知れないとテレビで告白していました。
つまり、同じ商売でも規模を拡大すると、違う商売にならざるを得ないのです。
例えば、ラーメン屋でも数店舗の時は、各店でスープを仕込んでいると同じ味にならないと言う問題が出て来て、各店の売上に大きな差が出てきます。
それでも数店舗であれば、開店前に社長が各店を回り味のチェックをする事が可能です。
それが30店舗にもなると不可能になる訳です。
それでスープを一か所で作る工場(セントラルキッチン方式)が必要になったりします。
こうなると店舗運営ではなく、工場運営というメーカーのノウハウと1店舗に投資したことが無い莫大な金額を投資する必要が出て来ます。
つまり、製造業の経験がない社長が、いきなりメーカーを立ち上げる訳ですから、上手く行くと考える方が楽観主義過ぎると言えるでしょう。
勿論、製造ノウハウについては、経験者を雇うでしょう。
しかしながら、製造業には製造業の資金調達ノウハウがある事まで知らない経営者が殆どです。
財務の素人が多額な資金を一気に調達しようとすると必ず壁にぶつかります。
何とか目標金額を集めても、返済できる借り方になっていなかったり、追加資金を借りられるようになってなかったりします。
リースを多用すれば赤字になってしまったり、融資だけに頼れば借入過多になったりして、追加資金が借りられなくなってしまいます。
設備投資する前に、当座貸越を設定して余裕資金を先に確保したり、財務改善をして社債で調達できる場合もあります。
そのように如何に返済しやすく、万一計画通り行かなくとも、余裕資金を確保しておくか等は、やはり財務の専門家が考える事です。
折角成長している会社を黒字倒産させてしまうのは、実に勿体ないことです。
安全に成長するために、財務機能を持つ事を考えて見ては如何でしょうか?

 

 

 

 

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